今、子どもたちに必要なことは?
日々起こっている事件・事故に、今後の世界はどのようになっていくのだろうかと、不安を感じているのは私だけではないと思います。
このような今、子育てをされている皆様は、お子様にどのような人になってもらいたいと思っておられますか?「学校はあそこに」とか「職業は何に」とか、親としての期待は大変大きいものがあると思います。
でも、お子様の気持ちはどうなのでしょうか?もちろん、まだ、いろんな事がわかりませんので、「お花屋さんになりたい」とか「ケーキ屋さんになりたい」とか「かっこいいキャラクターになりたい」とか、子どもたちの夢は大人の期待とは別に、限りなく広がっています。
『幼稚園』は、子どもが初めて出会う「学校」であり、初めての「集団生活」の場です。つまり、初めて「社会」の一員となります。ここでの経験がこれからの生活すべてにおいての基礎を築くと私は考えています。
「基礎」がしっかりしていないと建物は揺らぎます。「根」がしっかりはえていないと花は枯れてしまいます。子どもたちにもやはり同じ事が言えるのではないでしょうか。
私たちのやるべき事は、「よりはやく」ではなく、「より丁寧に」、「より広く」ではなく「より深く」子どもたちの根っこをしっかりと根付かせる事です。
では、子どもたちが幼稚園で身につけるべき基礎(根っこ)とは何でしょう?
私は「自(律)立心」であると考えます。言い換えると、「協調性・柔軟性・コミュニケーション能力」ではないでしょうか。つまり、「自分で考え、それを言語表現し、他人の意見を聞き、最良の結論を導き出す」こと。
本幼稚園では、このチカラを育むために、「ピアジェ教材」(※)を使い、自分の思いを主張し合い、受け入れられたり、受け入れられなかったりする体験をさせることで子どもたちの根っこが深くしっかりと根付くものだと信じて日々教育・保育活動に取り組んでいます。子どもたちの発達に必要なこと、「気づく・考える・やる気をだす・自信をつける・夢中になれる」 これらを体験活動の中で経験させ、人としての「基礎(根っこ)」を作り上げることができるならば、子どもたちの可能性は際限なく広がっていくと確信しています。
以上、これらの考えを本幼稚園の教育の柱とし、「こころ豊かに、力強く生きてもらいたい」と願い、子どもたちの成長を祈っています。
聖光幼稚園長 細 田 直 子